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本アーカイブは、人外的存在および関連事象の記録・整理を目的として作成されたものです。

DATA ARCHIVE / DIARY

嗟音爻

2014年8月12日

#1

クラスメイトからいい話を聞いた。

近所にある高台から、すごく綺麗な星空が見えるらしい。

行ってみたい。

嗟音爻

2014年8月13日

#2

僕たちは毎年お互いに誕生日プレゼントを用意している。

今年は何を送ろうかまだ決めてない。

去年は母さんと相談しておしゃれなハンカチを送ったが、ありきたりな気もした。

何かいい案はないだろうか……

嗟音爻

2014年8月15日

#3

家の中で視線を感じるようになった。

テレビで見た心霊番組の影響だろうか?少し怖い。

嗟音爻

2014年8月18日

#4

もうすぐ流星群が見頃だとニュースキャスターが話している。

それを見て爾が密かに目を輝かせていた。

良いプレゼントを思いついたかもしれない。

嗟音爻

2014年8月20日

#5

ついに明日は誕生日だ。ちょっとした計画を練ったから、記念にここに書いておく。

日付が変わって12時になったら爾を起こす。両親が眠っているのを確認し2人で外に出て、あの高台に行く。

そこで一緒に流星群を見るんだ。

ロマンチストだと軽口を叩かれそうだが、今思いつく中で一番のプレゼントだと思う。

嗟音爻

2014年8月21日

#6

爾が落ちた

嗟音爻

2014年8月22日

#7

昨日、爾が高台から転落してしまった。はずだ。

転落したのに、怪我ひとつしていない。

何かおかしい。

嗟音爻

2014年8月27日

#8

ようやく気持ちが落ち着いてきたので、何があったのか書き残しておこうと思う。

 

事前に立てた計画は上手くいった。

住宅街から少し外れた場所にあるその高台は、周りに視界を遮る木や電灯が無く、夜空いっぱいに輝く流星群を見渡せた。クラスメイトの言っていた通りだ。

僕と爾は、嬉しくなって転落防止用の柵に足をかけ、身を乗り出した。この最高の景色を少しでも長く、もっと近くに感じたかった。

 

その時、爾が足を滑らせた。

咄嗟に手を伸ばしたが、間に合わなかった。

下はコンクリートの道路で、僕らが立っていた場所からは大体5メートルくらいの高さがあった。下を覗き込んで必死に名前を呼んだが、反応が無い。何が起きたのか理解できないまま、急いで爾の元へと駆け下りた。

 

僕が高台の下にたどり着いたとき、爾は平然と立ち、服についた汚れをはたいていた。

息を整えながら無事かどうか尋ねると、いつもの調子で「大丈夫」と微笑んだ。

おかしい。混乱して割れるように頭が痛かった。

あの高さから落ちて無傷のはずがない!

嗟音爻

2015年8月14日

#9

あの日からもうすぐ1年だ。爾が落ちた時の光景が、未だに脳裏に焼き付いて離れない。

あれから僕は、怖くて日記を開けずにいた。

爾は今も生きている。

今年のプレゼントはどうしようか。

嗟音爻

2015年8月15日

#10

爾の元気が無い。

声をかけてもぼうっとしているようだ。

嗟音爻

2015年8月20日

#11

爾から目の色を褒められた。

あまり気にしたことはなかったが、彼女からすると特別綺麗らしい。羨ましそうにしていた。

笑顔が見られて少し安心した。

嗟音爻

2015年8月21日

#12

右目が痛い

​いたい

嗟音爻

2015年8月22日

#13

視界がずっとゆがんでいる。文字を書くのでせいいっぱいだ

嗟音爻

2015年8月24日

#14

薬局で眼帯を買ってきた。少しだけマシになった。

常時着用しておけば、もっと楽になるだろうか?

嗟音爻

2020年3月4日

#15

高校を卒業した。あれから、色々なことに悩んでいるうちに日記をつける余裕がなくなっていた。

久しぶりに自分の文を読み返すとなんだか気恥ずかしい。

 

爾のことについて、やはり一度詳しく調べてみる必要があると感じた。

​彼女はあの日からずっと成長していない。

管理者情報:嗟音爻

最終更新: 2026.06.03

当サイトの作品はフィクションです。

実在の人物・団体・地域などとは一切関係がありません。

AI学習禁止

© 2024 笹崎

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