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記憶_2014_08_21_00:12

蝸滄浹辷セ


(兄妹のひそひそ声が聞こえる)



「爾、見てください!すごく綺麗でしょう?」



(いつになく上機嫌なコウが、はしゃいで柵に足をかけ身を乗り出す)



「わあ……!流れ星がこんなにたくさん!兄さまっ、すごいです!」



(チカもわざとらしくはしゃぎ、同じように身を乗り出す)




(空には無数の流星群が流れている)





「あっ」



(チカが足を滑らせる振りをして、崖の下に落下する)



「爾っ!?」



(意識があなたに切り替わり、視界がクリアになる)



(咄嗟の出来事に焦り、混乱した表情でこちらに手を伸ばすコウの姿が見える)



(その表情にあなたは酷く興奮した)






***






(鈍い音と共に、地面に身体が叩きつけられる)



(あなたは能力を使い、チカの身体を急いで治癒する)



(だんだんと意識が遠のき、チカに切り替わる)




「んもう、かわいくてお気に入りのパジャマだったのに……」



(パンパン、と服に付いた砂埃を軽く落としている)



「……か……ちか……爾……!!」



(遠くからぜえぜえと息を切らしたコウの声が駆け寄ってくる)



「……だ、大丈夫……だったんですか?」



(驚きと絶望、困惑が入り交じったような表情でコウがこちらを見ている)



「ふふっ、大丈夫ですよ。兄様こそ、そんなに息を切らして……大丈夫ですか?体調が悪そうですし、早く家に戻りましょう」



(彼の涙で潤んだ瞳に流星群が反射し、輝いている)




(意識の奥からその様子を見ていたあなたは、より一層彼の瞳が欲しくなった)




© 2024 笹崎

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